黒糖のこと

カレーに砂糖を使う、という話

意外に思われるかもしれませんが、カレーには砂糖を使います。

沖縄で店を始めるとき、これまで使ってきた上白糖を、沖縄県産の黒糖に替えてみたらどうだろう、と考えました。地産地消でやってきた人間として、ごく自然な発想でした。

替えてみたら、味に深みが出ました。ぐっと美味しくなった。これが決め手になりました。

もともと甘いものが好きだったこともあって、黒糖の甘さとコクは、スパイスの香りを消すどころか、むしろ引き立ててくれました。

それは黒糖じゃない」と言われて

最初に使っていたのは、加工黒糖でした。

甘みが均一で、味がぶれず、扱いやすい。当時は黒糖の知識がなく、違いも知りませんでした。

あるとき、こう言われました。「それは黒糖じゃないよ」と。

純黒糖はさとうきびの搾り汁だけを煮詰めたもの。加工黒糖は、そこに粗糖や糖蜜が加えられていて、黒糖100%ではない。黒糖カレーと名乗るなら、本物の黒糖を使うべきだ、と。

そのとおりでした。

多良間島にたどり着くまで

そこから、産地を探すことにしました。

沖縄黒糖と呼べる純黒糖は、県内8つの離島でしか作られていません。

「島ごとエコファーマー」という、日本で最初の島

あじとやが使っている黒糖は、宮古島の製糖会社・宮古製糖の多良間工場から届きます。

多良間工場は、沖縄県でも最大規模の黒糖工場です。2018年に新設され、1日250トンの処理能力があります。

もうひとつの主役、スリランカのスパイス

黒糖と並ぶあじとやのもうひとつの柱が、スパイスです。

札幌時代からスリランカ産のスパイスを使い、現地にも足を運んできました。同じ名前のスパイスでも、産地が違えば育つ環境が変わり、味がまったく別ものになります。

いまあじとやが使っているスパイスは、山崎がブレンドの比率まですべて指定した独自配合を、スリランカの会社に製造してもらい、現地から直輸入しているものです。数パターンのブレンドを作ってもらい、そのなかから選び抜いています。

数え切れないほど試作を重ねて、最終的に6種類ほどのスパイスに絞り込みました。

スパイスカレーに関わって、40年になります。

余計なものは入れません

沖縄黒糖カレーには、着色料・香料・化学調味料・保存料を一切使っていません。

ごはんは、うっちん(ウコン)で炊き上げています。

豚骨・鶏ガラとたっぷりの野菜で、時間をかけてブイヨンをとります。

素材の産地がわかるものを、できるだけ選ぶ。器は沖縄のやちむんと琉球ガラス。